モンゴルにきて5ヶ月が経ちました。
移籍期間に入り、もうモンゴルにいられないかもしれないと思うと、記録を残しておこうと思いました。
モンゴルリーグのリーグ概要から、感じたことまで、モンゴルリーグの全てを書いていこうと思います。
目次
1:モンゴルサッカーリーグ構成
モンゴルサッカーリーグは「モビプレミアリーグ」と呼ばれており、日本のKDDIの子会社であるモビコムが主体となって運営しています。
モンゴルサッカーリーグは主に7月に開幕し、7月に閉幕します。
内容は、2023−24シーズンを例に取ると、7月後半にモンゴルサッカーリーグ一部が開幕し、11試合が10月後半までに行われます。
そこから2024年3月に後期が開幕し、7月までに残り16試合を行います。
全部で27試合、9チームあるので、3周すると言うことですね!
ちなみに、2022−23シーズンは、7月に開幕し、11月までに9試合が行われ、3月から7月までに18試合が行われました。
私は2023年3月にモンゴルリーグに加入しましたが、2月の時点では「後期も9試合だ」と言われていたので、モンゴルサッカー教会はとても柔軟な対応ができる組織であることがわかりますね!(おそらく誰かがもう一周やろう!と言い出したので、急遽変更になったのだと思います。そんなリーグです。)
これに加えて、モンゴルリーグ内でカップ戦が開催されます。
2023−24シーズンのカップ戦は2022−23シーズンの途中に1回戦が始まりました。
モンゴルリーグ一部リーグと2部リーグチームでチャンピオンを争います。
モンゴルリーグでは一部リーグと2部リーグがあり、国内では一部リーグをプレミアリーグ、2部リーグが一部リーグと呼ばれています。
一部リーグの順位で1位のチームはAFCカップに出場できます。そのため、モンゴルリーグからアジアへ羽ばたいていくチャンスがあると言えますね!
2部リーグの順位で1位のチームは一部リーグに昇格できます。2位と一部リーグの順位で下から二番目のチームはリーグ終了後、プレーオフを行います。
2:モンゴルサッカーリーグのレベルは低くない!
現モンゴル代表監督であり、富山第一高校で高校サッカー選手権を制覇した大塚一郎監督は「JFLレベルだが、ずば抜けたスピードやパワーを持っている選手がいる」と語っています。
また、大塚監督の息子さんである、大塚翔さんは「レベルは低くない」と語っています。
モンゴルサッカーでは過酷な環境下でプレーしなければいけません。標高は1300メートル、冬には息ができないほどの寒さ。
昼と夜の寒暖差。強い日差し。
体が弱い僕にとって環境こそが最大の敵でした。
3:モンゴルサッカーリーグには日本人が多い!
モンゴルサッカーリーグの特徴として、日本人選手が多いことが挙げられます!
2022シーズンには20人以上、2023シーズンには16人程度モンゴルサッカーリーグに日本人が在籍していました。
僕は一部リーグのチームでプレーしていましたが、一部リーグのチームには平均して、1チームに2人ほど、日本人選手がいると言った感じでした。
モンゴル2部リーグにも日本人選手は在籍していて、2023シーズンには3人程度在籍していました。
Jリーグにおける外国人助っ人といえば、ブラジル人が多めですが、モンゴルサッカーリーグにおける外国人助っ人と言えば、圧倒的に日本人です。
2002年に初めて日本人サッカー選手がモンゴルで誕生して以来、日本人選手が多く在籍している歴史があります。
モンゴルサッカーリーグにおける、外国人枠は3プラス1と決められています。
プラス1というのは、アジアの選手であれば、3人プラス1人まで獲得することができるということです。
そのため、日本人であれば、1チームあたり、4人まで獲得することができます。
モンゴル人サッカー選手の特徴
モンゴル人選手の特徴として、体が大きい、速い、強い選手が多いイメージです。
理由はモンゴルでは伝統的にモンゴル相撲(柔道と相撲を合わせたようなもの)を幼い頃からやっているということや、広大な大地を走り回っていると言った背景が考えられます。
また、モンゴル人は肉食のため、365日肉を食べて育っています。
そんな影響もあってか、大柄な選手や街を歩いていても身長の高い女性や、体の大きな方が多いのも食生活が理由なのかもしれません。
しかし、今となってはモンゴル特にウランバートルは都市化が進み、日本と変わらないような環境が整いつつあります。
そのため、モンゴル人特有の特徴が失われる日も近いのかもしれません。
4:モンゴルサッカーの世界ランキングは183位。
モンゴルサッカー世界ランキングは2022年10月発表時点で183位となっています。
日本は20位なので、格段の差があることがわかります。
この世界ランキングがある程度その国のリーグのレベルに相当していると言えると思います。
なので、モンゴルリーグはアジアの中でもレベルは低い方に位置しており、プロ選手としてのキャリアをスタートさせる選手にとってはもってこいの環境だと思います。
モンゴルサッカー教会は日本と提携していて、日本人監督がモンゴル代表監督として就任しているという歴史があります。
5:モンゴルサッカー教会は日本と関係が深い!
2021年からモンゴルサッカー代表監督には日本人が就任していて、現在は富山第一高校で選手権制覇を果たした大塚一郎さんがモンゴル代表監督として手腕を奮っています。
しかし、モンゴルサッカー=弱い国という見方が強く、アジアでも勝ち星をあげられていないのが現状です。
サッカーが弱い国モンゴルのレッテルを剥がすため、日本人監督のもと、モンゴル人たちも必死に頑張っています。
そのためモンゴルサッカー教会は日本との関係が深いと言えます。
モンゴルサッカーのレベルは確実に年々上がってきており、日本人監督の影響も十分ありそうです。
また、レベルアップの背景には日本人選手がモンゴルリーグに多く参戦していることも一躍勝っていると言えます。
モンゴル人サッカー選手の特徴2
モンゴル人の中でサッカーをやっている選手は特にサッカーだけにこだわっている選手が少ないように感じます。
サッカーをしながら、バスケの選手であったり、スケートホッケー代表をやっていたり、と僕の勝手なイメージですが、モンゴル人は身体能力が高い人がスポーツ選手としてそこにサッカーがあるからサッカーをプレーしているといったイメージです。
そのため、サッカーの基本的なボールを止める、蹴るなどの技術がままならない選手が多く存在しています。
とにかく生まれ持った強さ、速さ、力強さ、そう言ったものでプレーしている選手が多いです。
逆に見れば、チームプレーや、戦術、パス技術などの細かい技術をモンゴル人選手に教えることで、伸び代は半端ないと思います。
また、モンゴル人選手の特徴として、「従順」であるということがあります。
アップダウンのような、先輩から言われたことは必ず実行する!と言った機運があるため、いい指導者がいれば、伸び率は半端ないことになりそうです。
しかし、モンゴルサッカーにはそういった技術支援や、その技術支援を受けるための資金はアジアサッカー協会から多額の出資を受けているようです。
にもかかわらず、このような状況が続いているということは、モンゴルサッカー教会に問題があるのではないか?という声がモンゴル国内では上がっています。
確かに、モンゴルサッカー教会では、八百長が行われたとか、イエローカードで累積が溜まっているはずなのに、試合に出ている選手がいるとか、グレーなことがよく噂されています。
そのため、モンゴルサッカー協会の体制はあまり良くないと言えそうです。
6:モンゴルサッカーリーグの年俸は高い!
モンゴルサッカーリーグの年俸はレベルの割には高いと言えます。
モンゴルサッカーリーグだけでなく、全世界の全チームに言えることですが、チームの財政状況によって給料や、年俸は左右されます。
そのため、一概には言えませんが、僕の例としては1ヶ月あたり、給料としては300ドルもらっています。
これに加え、食費、宿泊費、移動費などを支払ってもらっているため、食費だけでも、1ヶ月で6万円程度かかっているので、とてもありがたいです。
また、スパイクを支給してもらったり、visaの更新のため、日本への航空券をいただけたりと、かなりの高待遇を受けていると感じています。
300ドルはものすごく低く、夢のない話ですが、初めてプロになるような選手は大抵このような額だと思います。どこの国でも同じです。
そこから結果を出して、自分に価値をつけていくしか道はないです。
僕の場合ですと、来季の契約更新をチームから打診され、給料は5倍程度になると言われています。
近年の日本人選手の活躍により、日本人選手の価値も上がっており、最近では1000ドル程度が基準になってきているようです。
これでやっと初任給くらいでしょうか。
また、交渉次第で給料を上げることもできます。例えば、全試合が終わった時に、〇〇位以上だったらいくらちょうだいとか、点取ったらいくらちょうだいとか、契約をする際に交渉しておけば、給料を上げられます。それもサッカー選手の醍醐味ですね!
他の選手の例で言えば、モンゴルサッカーリーグに長く在籍している選手や、大きなスポンサーがついているチームなどは、勝利給が支給されたり、スタンダードで1000ドル程度もらっていたりと、活躍次第でモンゴルリーグでも年俸を上げることは可能です。
どこ国に行って、何をしていてもそうですが、「必要とされる人になる」ことが重要ですね!
まとめ。
モンゴルサッカーリーグのレベル感や、日本との関係について書いてみました。
僕個人としてはこれからもっと違うリーグや国でのプレーをしてみたいと思っています。
しかし、モンゴルは今となってはもう一度戻ってきたいなと思うような街になりました。
人も暖かく、モンゴルの大自然は圧巻です。
モンゴルの生活で感じたことなどはこちらの記事にまとめています↓